HMO(Health Maintenance Organization)はPPO(Preferred Provider Organization)と並び、代表的な米国健康保険制度の一つです。一般的に、大学が職員向けに用意している健康保険としてはHMOプランとPPOプランが用意されており、いずれかを選択できるようになっています。
①緊急医療時(生死にかかわる重篤な症状につき救急救命室での緊急処置が必要なケース)を除き、利用できる医療機関はHMOの所属のところに限定される。
②HMO所属のPrimary Care Physician(かかりつけ医)での初診が義務付けられており、任意に専門医を選べない。
例えば急病で受診した病院がHMOに所属していなかった場合や、HMO所属のかかりつけ医で診察を受けずにダイレクトに専門科のクリニックで受診した場合などは、保険でカバーされず全額自己負担ということになります。
また、米国滞在中に旅行をした際に旅行先にHMO所属の病院がなければ、腹痛や発熱程度の比較的経度の症状(非緊急時)ぐらいでは安易に病院で治療を受けることも出来ず、帰宅してかかりつけ医に受診するまで我慢するしかありません。聞くところでは、かかりつけ医の診察予約を取るだけでも結構な時間がかかり、中々診察してもらえず、徐々に症状が悪化するということも起こりうるとのことです。
保険料はPPOに比べれば割安ですが、医療機関選択の自由度など使い勝手という点ではPPOに軍配が上がると思われます。但し、PPOにはPPOならではの留意点もあります。(HMOとPPO ②につづく)