初めて米国に長期滞在される方にとって必要不可欠なのは、やはり車でしょう。車に乗るには保険が必要です。
米国の自動車保険を理解する為に、日本の自動車保険との違いを以下リストアップしてみました。
①日本の自賠責保険(強制保険)がない。
②州ごとに自動車保険最低補償条件を定めた法律が存在する。(対人賠償責任$15,000/1名など)
③自動車保険の対人賠償責任の限度額が低く抑えられている。($100,000から$300,000が相場)
④保険料は、運転者や車により千差万別。同じ条件でも州により2倍以上の開きがある。
日本の常識では理解しがたいところがあります。
ただ一つ言えることは、対人賠償責任補償に限って言えば、米国の自動車保険が日本の自賠責に相当するということです。では、米国には日本の任意自動車保険に相当する補償はないのでしょうか?
米国では「アンブレラ保険」が自動車保険の対人・対物賠償の上乗せ補償となります。典型的な訴訟社会である米国では、表向きの保険として自動車保険に加入し、実際に事故が発生した際に事故相手に自動車保険だけを告げ、アンブレラ保険への加入は伏せておきます。それは、自分の財産を守る為です。
事故相手は、当然自動車保険の補償額では不足なので更なる賠償金を請求してきます。その際にアンブレラ保険を使うというのが米国スタイルです。その意味でアンブレラ保険は、自分の財産と立場を守る隠し玉と言えます。
多くのアメリカ人は、こっそりとアンブレラ保険に加入しているはずです。でも、そのことは絶対に口外しないでしょう。日本人も米国で車に乗るなら、こっそりとアンブレラ保険に加入した方が良いと思います。